前回に引き続き、今回も10年くらい前、ゼロ年代の曲を紹介します。私事ですが、当教室で本格的にレッスンを始めたのがこの時期なので、この当時の音楽には思い入れが強いのかもしれません。前回ご紹介した 175R ももちろんですが、今回取り上げるBUM OF CHICKEN こそ、本当に強い印象が残っています。この当時の中高生の間で絶大な人気があったという印象です。
今でも思い出すと笑ってしまうのが、メールアドレスの話です。ちなみに、当時は Line も SNS もなく、メール全盛期でした。みんなメインの連絡手段としてメールを使っていて、デコメなんて言うのもありました。そして個性的なアドレスの人がたくさんいた時代です。 BUMP の話ですが、例えばあだ名が「やまちゃん」という山田君がいたとします。彼のメールアドレスは "bumpofyamachan@~~~" こん子がたくさんいました。なかには、ずばり "bumpofchicken@~~~" という、よく取れたなと感心するようなアドレスの子もいました。 とまあ話がそれてきりが無いので、そろそろ曲の方へいきます。 今回紹介するのは、2004年にリリースされたアルバム、ユグドラシル に収録されている 乗車権 です。この曲の特徴は、ズバリ 6/4拍子です。全くの初心者だと、こういう事に自分で気がついて、理解出来る様になるというは難しいかも知れません。でもそれで全く問題ありません。まずは何度も曲を聴きましょう。そして、なんとなく、ズレている感じがすれば大丈夫です。 曲の冒頭のセクションは、ギターと歌の掛け合いになっていて、そこに5小節目(7秒あたり)からドラムが絡んできます。ドラムはフィルイン等の変化が多く、基本パターンが分かりにくくなっています。しかし、このセクションでベースになっている基本パターンは下の譜例の2小節です。まずは体で覚えるまで練習しましょう。ちなみに、この曲は6拍子ですが、テンポが早めなので、右手は4分音符を演奏しています。ドラムのスタイル的には、パンクビートの応用と言う事ができます。
そのご、29秒あたりのところから、ドラムのパターンが下の譜例の様に変わります。このビートのアイデアもとても面白く、2+4=6拍子になっています。
36秒のあたりで、セクションが変わります。ここで 4/4 拍子になりますが、ここは冒頭の6拍子のパターンに2拍プラスした、8拍子と捉えた方が分かりやすいかも知れません。ちなみに、ここでは右手はライドシンバルを演奏します。
46秒のあたりから、サビに入ります。ここはストレートなパンクフィールのセクションです。最初の2小節が基本パターンになっています。この基本パターンから、ベースドラムとスネアのリズムは変わらないまま、クラッシュシンバルのアクセントが裏拍に移動して、いわゆる ”食うパターン” になっています。
特に冒頭のセクションや、後半のセクションでは、フィルイン等変化が多くありますが、まずは、上で紹介した基本のパターンを体で覚えましょう。
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前回唐突に中断してしまった、175R のビューティフルデイズの続きです。
ハーフタイムのパターンが終わったら、下の譜例のパターンへ続いて行きます。4小節目のフィルインでは、シングルストロークの16分音符で、ラフの様なサウンドを出します。これはパンクではよく使う手順です。良いサウンドを作り出すためには慣れが必要なので、CDを聞いて何度も練習しましょう。
その後サビに行かずに、再び Aメロに戻ります。ここも32小節のセクションですが、最初の16小節はベースドラムのパターンが変化します。上段の2小節パターンを7回演奏した後、下の段のフィルインを演奏します。このフィルインでも、シングルストロークのラフが出て来ます。上のフィルインと同じアイデアが場所を変えて出て来ます。
続くAメロの残りの16小節は、曲の冒頭のパターンと全く同じです。
そして、1回目と同様に、ハーフタイムのセクションを演奏します。
そこから今度は下の譜例の4小節を演奏して、サビへ入って行きます。
最初のサビは下の通りです。
ブレークした後、ギターソロを Aメロのフォームで演奏してから再びハーフタイムのセクション〜〜と曲は続きますが、ここまでのパターンが分かれば、あとはもう大丈夫です。10年以上前の曲なので、今更バンドで演奏する機会も中々無いかも知れませんが、一つのスタイルとして、引き出しに整理してあると、対応力が上がる事は間違いありません。
楽曲解説シリーズ第二弾。今回は少し時間を遡って、ゼロ年代前半頃に流行っていた J-Rock のスタイルを見てみます。 私事ですが、当スクールのホームページを立ち上げて、本格的にレッスンをスタートしたのが2003年の12月でした。その当時バンドをやっていた中高生の間で人気があり、よくコピーされていたバンドでは、175R、Bump of Chicken、GO! GO! 7188、SHAKA LABBITS、ELLEGARDEN 等が今でも強く印象に残っています。 ジャンル分けというのは、人によって見方が分かれるところで、非常に難しいのですが、この当時の音楽のスタイルを、特にドラムのスタイルから考えると、パンクの影響を受けたバンドが多かったと言う事ができます。特に175R の様なバンドは青春パンクと呼ばれていて、アップテンポでストレートなグルーブが特徴でした。しかし、アップテンポなパンクビートだけでは単調になってしまうので、ハーフタイムのセクションを挿入して、ファンク系の細かいグルーブを聴かせるのが非常に流行っていました。 今回は2003年(たまたまですが、当スクールの開校の年なので、縁を感じます笑)にリリースされた、175R のビューティフルデイズを取り上げます。上で説明した様な、この当時の流行のスタイルをきれいにまとめた曲です。 まず曲の冒頭 Aメロは以下の通りです。32小節のセクションで (ビートx7小節 + フィルイン1小節)x4 という構成ですが、最初の8小節のみフィルインが入りません。 そうしてハーフタイムのセクションになります。今まで一本調子だった曲調が、ハーフタイムの手数の多いパターンのセクションで緩急がついて、曲に面白みが出て来ます。短いセクションですが、パターン自体結構複雑なので、慣れないと難しいです。 下の譜例では右手のシンバルを8分音符で書いているので、本来なら、♪=♩という記号をいれて、それまでの4分音符と、これ以下の8分音符が等しい事を定義します。 突然ですが、記事を書いている途中に急用が出来てしまいました。勝手ながら一度中断させて頂き、次回に続きます。乞うご期待!
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10月 2024
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