突然ですが、私が今までで一番難しいと思った音楽は、80年代にトランペット奏者のウィントン・マルサリスがやっていた音楽です。あまりの難しさにトラウマと言っても良いくらい苦しんだ記憶があります^^; いくつもの実験的なアイデアを使っていますが、その中の一つが今回のタイトルの 5泊フレーズです。 ○拍フレーズと言うと、普通は3拍フレーズですが、簡単にいうと4拍子の曲の途中で3拍子のフレーズを演奏します。そうすると拍がズレて行きますが、そのズレを利用して音楽的なテンションを作ります。3拍フレーズはごく最近のロックやポップスの曲でも使われている定番のアイデアです。3拍フレーズの3拍子を5拍子に変えたものが今回の5拍フレーズです。 3拍フレーズのことを人によっては1.5拍フレーズと呼びます。上の譜例では、スネアを2.5拍で入れることによって5拍を作っています。ライドシンバルのパターン、ハイハットを踏む位置は4拍子のパターンのままなので、5拍子というよりは、2小節、10拍でパターンが一回りしています。
次の譜面はウィントン・マルサリスのライブレコーディング、Live At Blues Alley に収録された名曲、Delfeayo’s Dilemma のトランペットソロの1コーラス目のドラムのコンピングです。因みにドラマーは Jeff “Tain” Watts です。 譜面で赤くかっこをつけた部分で、上の5拍フレーズをそのまま使っています。
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今回はONE OK ROCK の The Beginning を取り上げます。 春からドラムを始めて、夏休みが終わる頃からレッスンを始めた高校一年生の子が、文化祭でやる曲と言って持って来ました。ONE OK ROCK と言うと、テンポが早かったり、手数が多かったり、ビートが複雑だったり、難しい印象しかありません。なので、最初初心者バンドで ONE OK ROCK の曲をやると聞いた時は不安に感じました。しかし、実際に聴いてみたら、この曲は ONE ON ROCK にしてはかなりシンプルな方なので、頑張り次第でなんとかなりそうな感じです。 この曲のポイントは、3拍フレーズとベースドラムのコントロールの2点です。3拍フレーズに関しては、ちょうど今教則コーナーでも取り上げているので、是非 こちら もあわせてご覧ください。 下の譜例は曲の冒頭24秒あたりから始まるパターンです。このパターンは最も典型的でよく使われる3拍フレーズです。イントロ以外でも曲の中で何度か出て来ます。 そして次に、1分6秒あたりから始まる下の譜例のパターンも3拍フレーズです。実は上の譜例のパターンがズレているだけです。分かるまで何度も聴いたり、実際に演奏してみましょう。このパターンも、この後曲の中でもう一度出て来ます。 そしてもう一つのポイントはベースドラムのコントロールです。下の譜例のパターンでは、ベースドラムを3連打しています。シングルペダルで、このテンポで安定してベースドラムを3連打するのは、練習と慣れが必要だと思います。 ちなみにこの曲を持って来た子ですが、センスがよく飲み込みのとても早い子で、わずか1ヶ月足らずで、この曲を仕上げてしまいました。
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1月 2025
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